重要感を持たせる(文字通りチーム全体で強くなるコミュニケーション)

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対話篇 ラグビーで学ぶ『人を動かす』方法 

このページでは、デール・カーネギー『人を動かす』の

人を動かす原則② 重要感を持たせる

について、ラグビーを通して学ぶ先輩(OB会社員)と後輩(現役プレイヤー)の対話形式で解説していきます。

原著を既読の方も未読の方も楽しんで頂ければ幸いです。

重要感を持たせる(文字通りチーム全体で強くなるコミュニケーション)

後輩
後輩

先輩、後輩を指導するときってやっぱり怒ったりした方がいいですかね?

先輩
先輩

まぁ怒らないといけない場合もあるだろうけど、基本的に時と場合によるだろう。

何かあったの?

後輩
後輩

試合中、パスミスした奴が先輩に「どこ投げてんだボケェ!もう交代しろ!」って怒鳴られてたんですよ・・・

言ってしまえば、どのスポーツでもありそうな場面ではあるんです。

後輩
後輩

でもそれを見た僕は、そんなに怒る必要があるのかなぁって嫌な気持ちになったんですよね。

先輩
先輩

なるほど。

僕も君と同じで、そんなに怒る必要はないと思う。

先輩
先輩

むしろ怒鳴ることでチーム全体を弱くなる可能性がある

後輩
後輩

チーム全体が弱くなるんですか?

先輩
先輩

そうなんだ。

じゃあ今回のケースを反面教師にして、文字通りチーム全体で強くなるコミュニケーションを考えていこうか。

後輩
後輩

よろしくお願いします!

ラグビーで勝てるチームってどんなイメージ?

先輩
先輩

ラグビーで勝てるチームってどういうイメージがある?

後輩
後輩

勝てるチームのイメージですか・・・

幼いころからラグビーをしている強い選手を集めているチームでしょうか。

先輩
先輩

それも1つあるだろう。

そういうチームで思い出してほしいのは、『常勝チームはベンチメンバーも強い』ということだ。

後輩
後輩

あー確かに。

後半からタックル凄い人や100kg越えの選手が出てきたりしますね。

みんな何かしらの強みを持っている選手がベンチにいるイメージです。

先輩
先輩

まさしくそれだよ!

体力消費の激しいラグビーでは特に、何かしらの強みを持っている選手がベンチに必要なんだ

先輩
先輩

特徴は違えど、レギュラーと遜色ないメンバーがベンチにいれば、間違いなく勝ちやすくなるだろう?

後輩
後輩

まぁそうですけど・・・

強豪チームみたいに人を集められないと無理ですよ。

先輩
先輩

難しいとは思う。

ただ、育成方法次第では可能だと僕は考えているんだ。

先輩
先輩

そこで必要になるキーワードが

自己重要感

なんだよ。

自己重要感とはなんだろう?

後輩
後輩

『自己重要感』・・・ってなんですか?

先輩
先輩

自己重要感とは、

社会にとって自分は重要な(あるいは貴重な、特別な)存在だと思いたい願望

のことだ。

後輩
後輩

なんとなくはわかるのですが、何か例はありますか?

先輩
先輩

ラグビー部という「社会」で例えるなら・・・

・自分はチームで1番のタックラーと思われたい

・県代表に選ばれたい

・後輩に尊敬されたい、頼られたい

などなど・・・特別な存在になりたいという願望だ。

後輩
後輩

なるほど。

「レギュラーに定着したい」とか「トライを取ってメンバーに褒められたい」とかも自己重要感ということですね。

先輩
先輩

その通り!

そしてこの、自己重要感をうまく満たし続けることで、人間は自身を育て、成長し続けることが出来る。

先輩
先輩

どんな組織でもこれは当てはまるはずだが、今回はラグビーを題材に絞って考えていこう。

なぜ、怒鳴ったりするとチーム全体が弱くなる可能性があるのか

後輩
後輩

自己重要感がどういうものかはわかりました。

でもそれが、今回怒鳴った先輩のケースにどう関係するのかいまいちわかりません。

先輩
先輩

ふむ。

じゃあ君が怒鳴られたとしてどういう気持ちになるかを考えてみよう。

先輩
先輩

今回のようなミスを責めるように怒鳴られたら、君は実際どう感じる?

後輩
後輩

う~ん・・・

普通にへこみますね。

実際自分のミスでチームに迷惑をかけてますし。

先輩
先輩

なるほど。

凹んだときに君は、その場で技術的にもメンタル的にも瞬時に切り替えられるかな?

後輩
後輩

僕は結構引きずっちゃいますね。

少なくともその試合はミスしないように消極的なプレーになります。

先輩
先輩

まさしくそれこそ、チームが弱くなっている証拠だよ。

先輩
先輩

本来君が平常心であれば積極的に絡めたチャンスを見逃しやすくなる原因になる。

格上のチームに勝つためには少ないチャンスを活かすしかないのにだ。

後輩
後輩

まぁ、でもミスしたのは自分ですし・・・

責められても仕方なくないですか?

先輩
先輩

ミスは誰だってするだろう。

怒鳴った先輩も完璧ではないはずだ。

先輩
先輩

それに、君が元々感じていたように、他のチームメイトもいい気分にはならない。

先輩
先輩

ラグビーというチームスポーツにおいて味方のやる気を削ぐとか、デバフばら撒いてるだけだぞ。

後輩
後輩

デバフ・・・言われてみれば確かに弱体化ですね。

後輩
後輩

でも、あれも良い見方をしたら先輩なりの発破のかけ方ともとれそうですよ。

それについてはどう思います?

先輩
先輩

「どこ投げてんだボケェ!もう交代しろ!」

僕はこの言葉の意味を『発破をかけている』と受け止めない。

先輩
先輩

これは、自尊心(自己重要感)への攻撃だ。

自己重要感は誰もが欲しがっているのに、「お前はいらん!」と存在否定しているわけだからね。

後輩
後輩

確かに、自信がなくなるようなことを言ってますしね。

先輩
先輩

私は自信=根性だと考えている。

良く根性論をすぐ持ち出す人がいるが、根性がまだ育ってない時点で持ち出すからうまくいかない。

先輩
先輩

そして、自信を育てるためには自己重要感を満たしてあげることが大事なんだ。

自己重要感を上手く満たすことで得られるメリット

後輩
後輩

自己重要感を満たすことでどんなメリットがあるんですか?

先輩
先輩

最終的には、文字通りチーム全体を強くするというメリットがある。

先輩
先輩

なぜそうなるか理解するために、

①君自身の自己重要感を満たすメリット

②君のチームメイト(他者)の自己重要感を満たすメリット

の2つに分けて考えてみようか。

後輩
後輩

僕自身が僕の自己重要感を満たすメリットですか?

先輩
先輩

そうだ。

むしろ君自身が君の自己重要感を満たすことが出来なければ②はうまくいかないだろう。

先輩
先輩

①君自身の自己重要感を満たすメリットは以下のようなものだ。

・自分の思考だけで自信を育てることが出来る。

・他者の言葉に振り回されにくくなる。

・他者の自己重要感を満たす言葉を発するようになる。

後輩
後輩

・・・。

これ暗に「自己満足でナルシストになれ」って言ってません?

先輩
先輩

ほぼ正解だ。

でもナルシストまでは行かなくていい(笑)

先輩
先輩

自分のメンタルをコントロールするためには自己満足という概念そのものの肯定が必須だ。

限度を間違えないこと前提だけどね。

後輩
後輩

何事もバランスってことですか。

先輩
先輩

そうだ。

例えば、君が電車でお年寄りに席を譲ったとしよう。

先輩
先輩

するとそのお年寄りが、「俺はそんな年じゃない!」と怒ってきた。

君はその時どういう気持ちになる?

後輩
後輩

「せっかく善意で席譲ったのに、お礼も言えねぇのかクソじじい!」

って思いますね。

先輩
先輩

誰も爺さんとは言ってないんだが・・・

まぁいいか。

先輩
先輩

ここで重要なことは、「相手から与えられる精神的報酬を100%求めている」ということだ。

この場合だと、席を譲った親切心に対するお礼の言葉だな。

後輩
後輩

そりゃあお礼を言うのが常識でしょ。

何が悪いんですか?

先輩
先輩

君の行いは素晴らしいことだ。

ただし、その行いの精神的報酬は君が君自身に与えたほうが合理的だ。

後輩
後輩

・・・?

どういうことですか?

先輩
先輩

「あ~俺今良いことしたな~^^」みたいにある程度自己満足したほうが合理的ってこと。

もっと簡単に言うと「自分で自分を褒める」だな。

後輩
後輩

えぇ・・・

それのどこが合理的なんだ・・・

先輩
先輩

君の行いに対する君からの評価は100%君自身が操作出来る。

でも君の行いに対する他者からの評価はほとんど操作出来ない。

自分の考え方を変えたほうが楽なんだよ。

先輩
先輩

にも関わらず、他者の評価を求めることで君の感情操作を他者に差し出してるんだ。

君が求めてない反応を他者がしてくると、君の自尊心はもろにダメージを受ける。

後輩
後輩

そうなると、自信を無くし、消極的になり、本来掴めたであろうチャンスを逃す可能性が上がる、ということですかね・・・?

先輩
先輩

そうだ。

君の行いに対する「君の評価」と「他者の評価」は別々であると割り切ろう。

先輩
先輩

自分で自分を褒めることが出来るようになったら、今度は「他者を褒める」ことを練習しよう。

後輩
後輩

「他者を褒める」ことが出来るようになったら、何がいいんですか?

先輩
先輩

それこそが②に繋がる。

先輩
先輩

②君のチームメイト(他者)の自己重要感を満たすメリットは以下のようなものだ。

・君自身が人に好かれやすくなる

・他者の長所を見つける能力を伸ばせる(マネジメント能力)

・自信を持たせることができ、積極的な行動をするようになる

後輩
後輩

なんとなく思ったんですけど、就活のPRでも使えそうですね(笑)

先輩
先輩

就活どころか、他者の自己重要感を満たす能力は一生役立つの能力さ。

先輩
先輩

他人を褒められるってことは、他人の長所を見抜き、あわよくば自分の長所にも出来るってことだからね。

後輩
後輩

なんか僕が思ってたより利己的なメリットばっかりですね。

先輩
先輩

そりゃそうだ。

人間誰もが「したい」と思ったことしかしないんだから。

持続的に、かつ互いにメリットがないと続かないしね。

先輩
先輩

言い忘れてたけど、他者を褒めることには一つ注意点がある。

それは、心からの賞賛でないといけないという点だ。

後輩
後輩

お世辞とかよいしょはダメなんですか?

先輩
先輩

演技に自信があるなら100%ダメというわけではない。

でも、そういうものは使い続ける内にボロが出やすくなるものだ。

後輩
後輩

言われてみればそうですね・・・

お世辞は控えるようにします。

他者の長所を見抜き、うまく褒めるためには?

後輩
後輩

あんまり自分も他人も褒めた経験がないんですが、コツとかってありますか?

先輩
先輩

う~ん。

人同士を比べないようにすることかな。

後輩
後輩

え!?

他人と比較しないと長所なんてわかんなくないですか!?

先輩
先輩

その人が持っている能力の中から突出しているものを長所と考えよう。

他人と比較し出したら上も下もキリがない。

先輩
先輩

自分に自信がない人がよく「自分には何もいいところがない」って言っちゃうのは、常に現状上位互換の他人と比較してるからなんだよ。

後輩
後輩

あ~わかります。

僕もそのタイプです。

先輩
先輩

君の能力の中で突出しているものは何か、一度真剣に考えてみてほしい。

ラグビーで絞るなら、足の速さとかキックのコントロールとかがわかりやすいかな。

後輩
後輩

確かにわかりやすいですが、どんなに努力してもチーム1の能力にすることは出来なくないですか?

先輩
先輩

確かにね。

ただ、突出している能力は一つだけじゃないはずだ。

ニッチな長所を探せば出てくるよ。

後輩
後輩

例えばどんなのですか?

先輩
先輩

例えば、理論的に練習を説明することが得意だったり、相手チームの分析が得意だったりかな。

監督に好かれてるとかも長所ととらえていいだろう。

後輩
後輩

なんとなくはわかりました。

でもどうやって、どういうときに褒めたらいいんですか?

先輩
先輩

簡単だ。

褒められる長所を見つけた時、素直に口に出すだけ。

後輩
後輩

えぇ・・・

コツとかの話ですらない。

先輩
先輩

そうだよ(笑)

なんてったって、心からの賞賛だからね。

自然と口からこぼれるものさ。

後輩
後輩

そんなものでしょうか・・・?

先輩
先輩

最初は少し意識して口に出すことになると思う。

その積み重ねが君を、そしてチーム全体を強くしてくれるはずだ。

後輩
後輩

そうですね!

少しずつ自分も周りの人も褒めていこうと思います!

『人を動かす』ってどんな本?

後輩
後輩

先輩っていつもその『人を動かす』って本を読んでますよね。

一体どんな本なんですか?

先輩
先輩

うーん簡単に説明すると、

人間の本質から対人関係に必要なコミュニケーションの原則を教えてくれる本だ。

後輩
後輩

・・・

なんか胡散臭くないですか?

先輩
先輩

まぁジャンルも自己啓発だしそう思うのも無理はない。

実際僕も半信半疑だったしな。

先輩
先輩

だが、世界で1500万部、日本でも500万部売れているこの本は間違いなく名著だ。

有用でなければこんなに売れることはないだろう?

後輩
後輩

1500万部と言われても、いまいち凄さがピンときませんね。

先輩
先輩

ふむ。

基本的に10万部売れればベストセラーと呼ばれ、日本発の書籍で最も売れている本でも500万部ほどだ。

そう考えると1500万部売れているという凄さが実感できるかな?

後輩
後輩

桁が違いますね・・・!

先輩
先輩

まぁアメリカで初版が1936年、日本語訳版が1937年発売だから歴史も長いんだけどね。

逆に言うと、今日まで売れ続けているってことさ。

後輩
後輩

僕も読んだ方がいいのでしょうか?

先輩
先輩

そうだね。

もし君がコミュニケーションに少しでも悩んでいるなら読んだ方がいいだろう。

先輩
先輩

内容的には、ブッダが、キリストが、ソクラテスが、アドラーが、歴代のアメリカ大統領が、一般人に至るまで、あらゆる事例からコミュニケーションの具体的な方法を紹介している。

先輩
先輩

職場、家庭、恋愛などなど・・・これから君の人生にはあらゆる対人関係の苦悩が出てくるだろう。

そんな時、『人を動かす』を読んでいたら少なからず役に立つはずだ。

先輩
先輩

文庫本なんて1000円もしないし、それでコミュニケーションの達人になる可能性があるなら十分お得だと思う。

後輩
後輩

でも、僕は読書の習慣がないんですよね。

読み切れるかなぁ。

先輩
先輩

読むのが苦手なら『聴く』という方法もあるよ?

実際僕は『聴く』こともあるね。

後輩
後輩

『聴く』ってどういうことですか?

先輩
先輩

僕はオーディブル版の『人を動かす』を聴いているんだよ。

題名と内容は紙の本と少し違うけど、大筋は同じだ。

後輩
後輩

へ~。

通勤とか通学の時に使えるなら便利ですね。

先輩
先輩

まさに僕も基本的にはその時間に聴いているよ。

先輩
先輩

まぁ気が向いたらサンプル音声を聞いてみて、さらに気になったらオーディブルの1カ月無料体験を利用するといい。

先輩
先輩

『人を動かす』だけでなく、12万冊以上が1カ月無料で聴き放題だ。

うまく利用すればお金もかけずに本読めるってやばくない?

後輩
後輩

やばいっすね・・・!

後輩
後輩

とりあえずオーディブル版のサンプル聴いてみます。

教えてくれてありがとうございました。

先輩
先輩

『人を動かす』が君の人生を良い方向に導いてくれることを祈ってるよ!

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