このページでは、デール・カーネギー『人を動かす』の
人を動かす原則③ 人の立場に身を置く
について、ラグビーを通して学ぶ先輩(OB会社員)と後輩(現役プレイヤー)の対話形式で解説していきます。
今回は、ラグビーでパスの成功率を上げる方法について解説しています。
原著を既読の方も未読の方も楽しんで頂ければ幸いです。
人の立場に身を置く(パスの成功率を上げる方法)
パスってどうやったらうまくなりますかね?
どうした急に。
なにかあったの?
この前の試合でFWから、「お前のパスは取りにくい!」って言われちゃったんですよ。
それで、僕はパスが下手なのかなーって。
なるほど。それは辛かったね。
もちろんパスの上手下手はあるかもしれないけど、そのFWの言い方的に別の原因があるかもしれないよ?
パスの上手下手じゃない、別の原因ですか?
そうだ。
今回はパスの成功率を上げる方法を、技術とは異なる観点から考察していこう。
よろしくお願いします!
受け手が欲しいタイミングで、キャッチしやすい空間にボールが存在すること
早速結論なんだが、
パスの成功率を上げるには、受け手が欲しいタイミングで、キャッチしやすい空間にボールが存在することが何よりも重要だ。
どういうことですか?
例をだそうか。
例えば、君がボールキャリアー、ライン際で『A』という選手とクロスをする場面。
この時、君はエリアa~cのどこにパスを出す?
う~ん。
『A』のランコース次第じゃないでしょうか・・・?
その通りだ!
君が自己判断のみでエリアaにパスを出しても、A君がエリアcのコースを走っていたら、そのパスの成功率は大きく下がる。
パスする側とパスを受ける側とのコミュニケーションが、パス成功の鍵ってことですね。
そうだ。
恐らく君とFWはこの前の試合、うまくコミュニケーション出来てなかったんじゃないかな
じゃあどうすればそのコミュニケーションが出来るんですか?
練習時点でパスするタイミングと空間を予め確認しておく
最も簡単なコミュニケーションは、サイン名をかけるだけで決まった動きをすることだな。
決まった動きですか?
先の例えでいえば、『クロス』と声をかけるだけでエリアbに走りこませるとかね。
なるほど!
でも、A君と他の人じゃタイミングとか違うんじゃないですか?
それはどう解決すればいいですかね?
それこそ、最も簡単な方法は、
練習時点でパスするタイミングと空間を予め確認しておくんだ。
えぇ・・・
なんか当たり前なこと言われた感半端ないんですけど・・・
本当にしっかりと確認できているか?
試合で結果を出すには練習時点で絶対あやふやにしないことだ。
例えばどんなことを確認するんですか?
①パスの強弱や高さ
②受け手はトップスピード時に欲しいのか、7割くらいのスピードでほしいのか
③目的はラック作りかパス継続か
などなどだな。
人(受け手)の立場に身を置いて、試合で最も効果的なパスを練習しておくんだ。
練習の数よりも、練習中のコミュニケーションの質を上げれば、パスの成功率はあがるはずだ。
確かに、僕がパスをするとき、受け手がどういう状況でほしいかなんて考えたことなかったです。
普段からチームメイトの特徴、考え方やプレースタイルを意識しておくと、パスだけじゃなくATもDFももっと効果的にコントロールしやすくなる。
でも、ラック目的のクロスで、トップスピードじゃないってのはあまりよくないですよね?
クラッシュの威力が弱くなる。
トップスピードでパスをもらうのが苦手な選手に、トップスピードでパスを受けられるよう練習は出来ないんですか?
もちろん、ある程度練習で習得させることは出来るだろう。
その練習をさせる時は、「君の能力的にトップスピードでもらうことも簡単に習得できる」と思い込ませることが必要だ。
どういうことですか?
現時点で出来ている部分を褒めるんだよ。
例えば、「もう9割のスピードで取れるようになってるな」とか「ノックオンの数が減ってきたな」とかかな。
えっ!?
出来てない部分を指摘→修正させた方がうまくなりませんか?
一回くらいなら良いかもしれないけどやめといたほうがいい。
「今のパスも取れないのか?!」「スピード遅くないか?」とか
出来てないところを何度も指摘されたら、やる気も自尊心も下がって習得が遅れるぞ。
あー、まさしく今回の僕がやる気も自尊心も下がってましたもんね。
人を動かすなら、そうしたほうが本人にとって得だし、それが出来る人物だと思わせることが必要だ。
ラグビーでも会社でも、やる気を出させる能力は一生役立つ能力だ。
批判や非難の辛さを知ってる君なら、意識するだけで身に付きやすい能力だと思うよ。
これからはもっと、パスの受け手の立場を考えてパスするように心がけます!
『人を動かす』ってどんな本?
先輩っていつもその『人を動かす』って本を読んでますよね。
一体どんな本なんですか?
うーん簡単に説明すると、
人間の本質から対人関係に必要なコミュニケーションの原則を教えてくれる本だ。
・・・
なんか胡散臭くないですか?
まぁジャンルも自己啓発だしそう思うのも無理はない。
実際僕も半信半疑だったしな。
だが、世界で1500万部、日本でも500万部売れているこの本は間違いなく名著だ。
有用でなければこんなに売れることはないだろう?
1500万部と言われても、いまいち凄さがピンときませんね。
ふむ。
基本的に10万部売れればベストセラーと呼ばれ、日本発の書籍で最も売れている本でも500万部ほどだ。
そう考えると1500万部売れているという凄さが実感できるかな?
桁が違いますね・・・!
まぁアメリカで初版が1936年、日本語訳版が1937年発売だから歴史も長いんだけどね。
逆に言うと、今日まで売れ続けているってことさ。
僕も読んだ方がいいのでしょうか?
そうだね。
もし君がコミュニケーションに少しでも悩んでいるなら読んだ方がいいだろう。
内容的には、ブッダが、キリストが、ソクラテスが、アドラーが、歴代のアメリカ大統領が、一般人に至るまで、あらゆる事例からコミュニケーションの具体的な方法を紹介している。
職場、家庭、恋愛などなど・・・これから君の人生にはあらゆる対人関係の苦悩が出てくるだろう。
そんな時、『人を動かす』を読んでいたら少なからず役に立つはずだ。
文庫本なんて1000円もしないし、それでコミュニケーションの達人になる可能性があるなら十分お得だと思う。
でも、僕は読書の習慣がないんですよね。
読み切れるかなぁ。
読むのが苦手なら『聴く』という方法もあるよ?
実際僕は『聴く』こともあるね。
『聴く』ってどういうことですか?
僕はオーディブル版の『人を動かす』を聴いているんだよ。
題名と内容は紙の本と少し違うけど、大筋は同じだ。
へ~。
通勤とか通学の時に使えるなら便利ですね。
まさに僕も基本的にはその時間に聴いているよ。
まぁ気が向いたらサンプル音声を聞いてみて、さらに気になったらオーディブルの1カ月無料体験を利用するといい。
『人を動かす』だけでなく、12万冊以上が1カ月無料で聴き放題だ。
うまく利用すればお金もかけずに本読めるってやばくない?
やばいっすね・・・!
とりあえずオーディブル版のサンプル聴いてみます。
教えてくれてありがとうございました。
『人を動かす』が君の人生を良い方向に導いてくれることを祈ってるよ!
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