ラグビーで学ぶ「重要感を持たせる」

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ラグビーで学ぶ『人を動かす』方法

人を動かすには、相手の欲しがっているものを与えるのが、唯一の方法である。

人は何を欲しがっているのか?

著:D・カーネギー 『人を動かす』 重要感を持たせる より

自己啓発の原点とも言われるデール・カーネギーの『人を動かす』より

人を動かす原則② 重要感を持たせる

に当てはまる事例をこのページに集めて考察する。

読者の皆さんがラグビーを通して対人関係の原則を学ぶきっかけになれば幸いだ。

重要感を持たせる を要約すると・・・

人は誰もが「重要な人物でありたいという渇望」を持っている。

だから、人々は家族や友人に貢献しようとするし、酒の席で自慢話をし、部下を叱って自分の能力を誇示する。

この自己重要感が満たされない時に精神が病んでいく。

チームを強くしたいなら、ほめることで選手たちの自己重要感を満たして、自分から行動する仕組みを作ろう。

そうすれば、さらに認められたいという願望が生まれ、願望のために練習し、チームは強くなっていく。

重要感をもたせる エピソードから考察

ここからは主にラグビーの指導者や選手のエピソードから、人を動かす原則②に当てはまっていると感じたエピソードを紹介する。

帝京大学ラグビー部 岩出監督

帝京大学の岩出監督は心理学をメインに組織運営をされているので、ほめることの危険性を紹介している。

ほめることの危うさは岩出監督の『常勝集団のプリンシプル』やアドラー心理学の対話編『嫌われる勇気』を読むとわかりやすい。

簡単に説明すると、「人は褒められると、褒めてくれた人に依存する危険性がある」ということだ。

正直、アドラー心理学と『人を動かす』では対立関係に見えることもある。

なので、ここでは私が共通していると思ったところを取り上げる。

それが、岩出監督の『常勝集団のプリンシプル』にあるこの一文だ。

相手は「自分のことをよくわかってくれている」と思うから信用し、行動をともにしてくれるようになります。

『常勝集団のプリンシプル』岩出雅之 著

相手の長所や貢献を褒めることも、「自分のことをよくわかってくれている」というアピールになるはずだ。

このアピールが出来て、長所や瞬間的行為を褒めれば、アドラーのいう危険性は回避できるのではないか。

ただ、褒め方や褒める量は相手によって注意しなければならないだろう。

2015年W杯日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズ

エディー・ジョーンズは褒めることの重要性を、日本代表で経験していた。

それまで日本代表のW杯の勝利は1つのみで、勝てない理由や原因はいくらでも出てきた。

体が小さいことや技術レベルの差、こういったものが日本代表の「どうせ勝てない」というマインドセット(思い込み)に繋がっていた。

まさに「戦う前に負けている状態」といえるだろう。

そんな日本代表を、エディーは褒めることで変えたという。

弱いマインドセットを変えるためには、選手や部下を褒めることが一番です。

「どうせ勝てるわけがない」という意識は、さまざまな否定的要素の集まりです。

それをいいことがあれば褒め、消し去らなければなりません。

『ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング』エディー・ジョーンズ 著

エディーは言葉だけでなく、「日本代表に選ぶ」という名誉で選手に重要感をもたせた。

エディーの世界で戦うプランに、その選手が必要だと、信頼しているとアピールしたのである。

これが選手たちの「どうせ勝てない」という思い込みを払拭し、代わりに自信を植え付けたのだろう。

その結果こそ、あの南アフリカ戦の大番狂わせに繋がった。

あなたがラグビーで勝ちたいのなら、チームメンバーやあなた自身を都度褒めてあげよう。

謙遜するのではなく、褒められたら素直に「ありがとう!」と返してあげよう。

それがいつか自信となり、いいプレーに繋がり、そして下剋上へとつながるはずだ。

重要感を持たせる を実感してみよう

良かったらコメント欄などであなたの経験や意見を教えてもらえると大変うれしい。

それが私やあなた、このページを読んでいる皆様の成長に繋がるだろう。

同じポジションの選手の長所や好プレーを褒めてみよう

同じポジションの選手の長所や好プレーを褒めてみよう。

ある程度詳細も含めて、どのプレーのどんなところがいいか口に出すのだ。

例をいくつか挙げてみよう。

  • タックル後のオーバーが速い
  • 誰か抜け出した時に必ずフォローにいる
  • パスがちょうどいい強さで欲しいところに来て取りやすい などなど・・・

褒められた相手は、「評価してくれている」とあなたに好感を持ちやすくなる。

その上、褒めた相手の長所を真似したり、教えてもらえれば、あなた自身が選手としても成長できる。

褒められたときは「ありがとう!」と笑顔で返そう

褒められたときは「ありがとう!」と笑顔で返そう。

謙遜は日本人の美徳だが、するにしても1回に留めよう。

素直に受け取ってもらった方が、褒めた相手も「この人の役に立てた」という自己重要感が満たされる。

これは嫌味で褒めてくる相手にも応用できる。

嫌味な褒めにも「ありがとう!」と笑顔で返せば、相手は二の句が告げなくなる。

憤慨したりするより圧倒的に省エネで、相手の欲しい反応を与えないというささやかな反撃にもなる。

重要感を持たせる まとめ

チームメイトにも自分自身にも、惜しむことなく感謝や褒め言葉を使おう。

そのほうが、あなたもチームももっと成長したいという願望が強くなり、練習や試合も集中できるだろう。

参考文献 まとめ

ここでは参考にした本を紹介する。

1,000円ほどの出費と半日ほどの時間で、一生役立つ知識が1つでも得られるなら、コスパ◎だろう。

気になったものがあれば、試し読みだけでもしてみると得られるものがあるかもしれない。

常勝集団のプリンシプル 著:岩出雅之

私は根性論嫌いかつ本自体が心理学メイン、そして1段落が短いので読みやすかった。

人を動かすには、動かしたい相手に考えさせ、言葉に出させることの大切さを学べる。

ビジネスリーダー向けに書かれた本のため、心理学の専門用語が多く、苦手な人は苦手かも?

ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング  著:エディー・ジョーンズ

日本教育の悪習慣(特に無意味な長時間練習)について、エディーの考え方はかなり納得した。

「日本人を動かすには?」という視点なので『人を動かす』にはない発見がある。

日本への愛ゆえにだろうか、日本人を褒める時と正論パンチする時の温度差が激しい。

人を動かす 著:デール・カーネギー

根性論嫌い・きれいごと嫌い・論理的なことが好きな私がたどり着いた最高の対人関係実践本。

小説風で専門用語が少なく、著者が少し口悪いので親近感がある文章で非常に読みやすい。

リンカーンやルーズベルトなどの古い事例が多いので、歴史好きだとさらに楽しく読める。

※私はオーディブル版『人を動かす』をメインに聴いているので、少し内容が違う。

↓オーディブル版は原著翻訳、文庫版は改訂版翻訳

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