【孫子×ラグビー⑩】彼を知りて己を知れば

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孫子×ラグビー

『孫氏の兵法』と言えば、今やビジネス書としてめちゃくちゃ有名です。
ただ本来は”勝つための指南書”なんだからラグビーにも使えるんじゃね?

と思ったので、孫子の内容を私なりにラグビーに当てはめて書いていこうと思います。
私自身はラグビーを引退しています。
だから、高校や大学ラグビー部の皆さんが「これは役に立つ!」と少しでも思ってくれる内容になってたら嬉しいです。

孫子を知れば、ラグビーでも、社会人になっても役に立つはず・・・?

気楽に読んでもらって、使えそうなものはチーム会議などで活用してみてください!

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『孫氏の兵法』を3行でまとめると・・・

『孫氏の兵法』を3行でまとめるとこうなります。

『孫氏の兵法』を3行でまとめると・・・
  • 無益な戦争はするな!勝っても負けても国が疲弊する!
  • 敵味方の状況・戦力を徹底分析!大勝できそうで利益も大きいなら戦争もあり!
  • やるなら不完全でも迅速に勝って終わらせろ!

となります。

『孫氏の兵法』は戦術書でありながら、「無駄に戦うな!」という教えが最初に来る面白い本です。
孫子は勝敗を占いで予測する当時の風潮を嫌い、

徹底した現実主義
利益を最大に・被害を最小に

を重視した人だったようです。

この前提をもって、『孫氏の兵法』の細かい内容を見ていきましょう!

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今回『孫子』から学ぶこと

敵を知り己を知れば百戦しても危なくならない(必ず勝つとは言ってない)

超有名なこの文章ですが、ここで孫子が書いているのは、
敵を知り、己を知れば、百戦しても危なくならない(必ず勝つとは言ってない)という意味です。

もう一度言います。必ず勝つとは言ってません。

勝てると試算したものしか戦うなと孫子はずっと説いています。
勝てなさそうなら戦わないし退くことも説いています。
引き際も判断できるから危なくならないのです。

別の項目で紹介しますが、
負けない要因は自陣にあって、勝つ要因は敵のミスにある、というようなことも説いています。

現代の私たちにとっても、危ない橋を渡らないよう情報収集は徹底するという教訓になるのではないでしょうか。

勝つために確認するべき5つの項目

ここで孫子は、勝つために確認するべき5つの項目を紹介しています。

これらを敵と味方で比較し、勝算があるか判断するのです。

  1. 戦うべきか、そうでないか
  2. 大軍と小軍、それぞれの使い方を理解しているか
  3. 将と兵の心を1つの目的に向けてまとめ上げられているか
  4. 準備万端に整えたうえで、敵の油断を待てるか
  5. 有能な将軍を据えたうえで、君主が余計な介入をしないか

いきなり「戦うべきか、そうでないか」を考えるところが、孫子らしいですね。

敵味方の情報収集と比較、成功するためには現代の私たちも徹底して行う必要があるでしょう。

敵の分析を怠るなかれ

敵を軽視したり、面倒くさいという理由で敵の分析を怠るべきではない、と孫子は説いています。

敵を馬鹿にしたり、憎みすぎると、過小評価をしかねません。
面倒だからと言って敵の分析をしないのは、勝つ確率を自ら下げることにつながります。

味方の分析が完璧でも、敵の分析をしていなければ、運要素が跳ね上がります。

勝つためには、そうした運要素をできる限り排除するために、敵の分析も徹底するべきです。

味方の分析で自己正当化するなかれ

先ほどとは逆に、味方の分析で過大評価したり、自己正当化するのもやめたほうが良い、と孫子は説いています。

戦力差は、正確に把握してこそ比較できます。
自国のすばらしさ、努力を持ち上げたくなる気持ちはわかりますが、事実とかけ離れたら危険です。

勝つためには、敵も味方も冷静に分析する精神・能力が必要とされます。

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今回『孫子』で学んだことをラグビーに当てはめると・・・

『孫子の兵法』の登場人物をラグビーで当てはめると・・・
  • 君主➡監督、あるいは監督を含めた顧問、コーチなどの首脳陣
  • 将軍➡キャプテン
  • 民➡チームメンバー全員、場合によっては家族含む

徹底的して敵も味方も分析しよう

大前提として、徹底的して敵も味方も分析しましょう!

孫子の兵法でもあるように、勝てるところで勝つためには分析・比較が必要です。

さすがにプロレベルの分析、細かい数字を出すのは難しいかもしれません。

しかし、素人でもできる分析はあります。

一例としては、

  • 敵チームの特徴的なプレーは何か?
  • 中心選手は誰か?
  • トライゲッターは誰か?
  • ラインアウトのサインはどんな動きのパターンがあるか?
  • トリックプレーはあるか?
  • ミスの多い選手は誰か?

といったところでしょうか。

敵チームのやりたいことはさせない、
敵の弱いところを攻めて勝つことの積み重ねが、
試合の勝利につながります。

ラックに入るべきか、入らないでDFラインに並ぶか

ラックに入るべきか、入らないでDFラインに並ぶかの判断も、無駄な戦いを避けることにつながります

初心者のときは特に多いと思うのですが、無駄にラックへ参加することがあります。
これは体力の無駄遣いです。

経験を積み重ねることで瞬時に判断できるようにはなるでしょう。
私自身もそうでした。
数年経って決めた、私がラックに入る・入らないの判断基準の例をご紹介します。

ラックに入る状況ラックに入らずDFに並ぶ状況
互角以上に味方が押せている
自陣残り1mくらいで誰もラックに入っていない
敵のオーバーが1人
敵のオーバーの姿勢が明らかに高い
すでに味方が押し勝ってる
すでに押し負けている
すでに敵が3人程度で壁を作りきっている

無駄な戦いを避け、ここぞというところに力を注ぎましょう。

数的優位、孤立を意識して行動できるか

選手が数的優位、孤立を意識して行動できるかも試合に勝つためには重要です。

  • ラックに人数をかけるべきか否かを瞬時に判断できるか
  • 手薄になっているエリアにキックできるか
  • ボールキャリアーになって焦って孤立したとき、味方の近くまで粘るスキルがあるか

などなど。
視野を広く、瞬時に判断できる能力は選手個人が養っていくべきものでしょう。

試合や練習の中で、判断自体の練習をする意識もチームで必要かもしれませんね。

目標に向かってチーム全体の意識が統一されているか

目標に向かってチーム全体の意識が統一されているかは、チームの士気にかかわります。

目標と実力があまりにも差がありすぎるとやる気はでないもの。
例えば、県大会ベスト16どまりのチームが、半年で日本一を目指す!というのは非現実的です。
これでは、モチベの高い人と低い人の間に軋轢が生まれます。

大きい目標はもったほうが良いですが、まずは小さな目標達成を積み重ねることが大事。
小さな目標達成の積み重ねが、大きな目標に現実味を持たせてくれます。

士気の高いチームには、大義名分や「手の届きそうで届かないくらいの目標」があるものです。

トレーニングをしっかり積んだうえで、罠も上手く使う

トレーニングをしっかり積んだうえで、罠も上手く使う意識を持ちましょう。

正攻法、真っ向勝負ができて初めて、罠、ダミー、トリックプレーが活きてきます。

筋トレや飯トレ、柔軟といった身体のメンテナンス。
タックル、ヒット、パス、ダウンボールといった基礎技術。
これらが準備万端であるうえで、敵の油断を、弱点を突くと勝ちやすくなるのです。

楽に勝ちたくとも基礎や準備は仕上げて試合に臨みましょう。

キャプテンや首脳陣は士気を保てるコミュニケーションが取れるか

キャプテンや首脳陣は士気を保てるコミュニケーションが取れるか、は非常に大事です。

キャプテンに必要な資質については、孫子が別の章で説いています。
1つ資質に関してあげるなら、それはチームの士気を保てる資質です。

キャプテンが罵詈雑言を言うだけのチームは士気が低くなり、強くなれません。
強くなろうという意思をキャプテンが言葉で潰しにかかってるからです。

また、首脳陣が余計なことを言わないというのも重要です。

どれだけキャプテンが有能でも、首脳陣が首脳陣として無能だったらチームの士気は下がります。

どの世界でも、選手としてすごかった人が監督になって成果が出せないことがあります。
その理由は、選手やチームのことを分析せず、考えず発言することが多いからだと、私は思います。

ラグビーも組織である以上、全ての人間が互いの士気を保つ言葉を使う意識を持つべきです。
上手く使える人だけが、根性論も罵詈雑言も有効活用できます。

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今回のまとめ

今回のまとめ
  • 徹底分析で勝つ確率を積み重ねよう!

『孫氏の兵法』は奥深く、あなたの視点から見える新たな考えもあるかもしれません。

あなたが『孫子の兵法』を使って勝利を掴むことを祈ってます!

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参考文献

孫子 著:浅野 裕一

ひと言メモ

原文も解説もあるので自分でも考察できる一冊!

「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」などの名言で知られる『孫子』。春秋時代の孫武(そんぶ)が著わし、二千年以上も読み継がれた名高い古典は世界最古の兵法書として、また人間界の鋭い洞察の書として親しまれ、今日もなお組織の統率法や人間心理の綾を読みとるうえで必携とされている。本書は、従来の宋時代のテキストより千年以上も古い前漢武帝時代の竹簡文に基づく精密な唯一の解説である。

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カラー版徹底図解 孫子の兵法 著:榎本 秋

ひと言メモ

図解もあるのでイメージがしやすい1冊!

※こちらはかなり昔の本なので今は置いてなさそうです。代わりの図解を置いておきます!

ひと言メモ

現代風な図解でイメージがしやすい1冊!ラグビーを例にした図解も少しあり

紀元前500年頃、孫武が勝負は運ではなく人為によるとし、その勝利の法則を理論化した兵法書。情報分析や見極め、行動の時機やリーダー論等、現代に通じるものとして今も人気が高い。「名言」を図解でわかりやすく紹介する。

「世界最古の兵法書」といわれ、今なお広く愛読される『孫子』の名言は、決して戦いや争い事での「必勝法」「リーダー論」だけはなく、ビジネスに、生活に、人生すべてに通じ、応用できる珠玉の言葉。「敵を知り、己を知る」「戦わずして勝つ」など、あらためてその意味を味わいたい。

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超訳 孫子の兵法 著:許成準 ※オーディブル版を聴きました

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オーディブルでも聴きやすく、ビジネスの例がたくさん紹介されている1冊!

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