『孫氏の兵法』と言えば、今やビジネス書としてめちゃくちゃ有名です。
ただ本来は”勝つための指南書”なんだからラグビーにも使えるんじゃね?
と思ったので、孫子の内容を私なりにラグビーに当てはめて書いていこうと思います。
私自身はラグビーを引退しています。
だから、高校や大学ラグビー部の皆さんが「これは役に立つ!」と少しでも思ってくれる内容になってたら嬉しいです。
孫子を知れば、ラグビーでも、社会人になっても役に立つはず・・・?
気楽に読んでもらって、使えそうなものはチーム会議などで活用してみてください!
『孫氏の兵法』を3行でまとめると・・・
『孫氏の兵法』を3行でまとめるとこうなります。
となります。
『孫氏の兵法』は戦術書でありながら、「無駄に戦うな!」という教えが最初に来る面白い本です。
孫子は勝敗を占いで予測する当時の風潮を嫌い、
徹底した現実主義
利益を最大に・被害を最小に
を重視した人だったようです。
この前提をもって、『孫氏の兵法』の細かい内容を見ていきましょう!
今回『孫子』から学ぶこと
戦争は国の命運を分ける大事
戦争とは、膨大な時間や労力、兵、食料、資金を費やして行う重大な行事です。
現代風に言えば、基本的にめっちゃコスパ×ってことです。
戦争をするだけで国家は疲弊し、長引けば経済は大打撃、その上勝敗は1回の短い決戦で決まります。
勝ったとしても戦利品より国が疲弊していればマイナスですし、負ければ滅亡もあり得ます。
だから、『孫子の兵法』の最初は”戦いはなるべく避けろ”ということから始まります。
勝算を見極めるための5つの基本事項と7つの比較項目
敵も味方もまずは徹底して分析・比較し、勝算を測ることが大事だ、と孫子は言っています。
孫子は勝算を見極めるための5つの基本事項を提示しています。
敵と味方の優劣は「七計」というもので比較・計量するようです。
これらを明確にし、すぐ勝てる!楽に勝てる!という予測結果が出たら戦争してよいという内容でした。
今回『孫子』で学んだことをラグビーに当てはめると・・・
試合の重要性を改めて認識しよう!
試合とは、今まで費やした膨大な練習時間や労力、資金を費やした結果が出るほんの短い時間です。
ざっくり計算になりますが、
週6日で1日3時間練習を3年間続けたとして、
3年間の練習時間=(1年は約52週)×6日×3時間×3年=2808時間
それに対して公式戦の試合時間ですが、
1試合1時間、3年間春と秋に5試合ずつできたとして、
3年間の試合時間=1試合1時間×1年10試合公式戦×3年=30時間
3年間の試合時間は、3年間の試合時間に対して約1%ほどの時間しかないのです。
本来なら休みもありますし、合宿や遠征で大幅に時間を取られることもあるでしょう。
お金も、道具や遠征費などで馬鹿にならない額が必要になります。
それだけの時間やお金を費やしても、「勝てば官軍負ければ賊軍」です。
負けても得るものはありますが、勝てばもっと多くのものを得られます。
人生においてそんな短い時間の試合で勝つとどんなものを得られるでしょうか?
考えてみましょう。
逆に言えば、試合に負けるとこれらを得るチャンスを全て失います。
もう一度確認しますが、無益な争いはするな!というのが孫子の教えです。
だから、だらだらとラグビー部にいることや利益のない試合は無駄と言えます。
何も考えず適当にするなら、将来役に立ちそうな別のことに時間も労力もかけたほうがいいかもしれません。
是非とも今一度、ラグビーで勝つとあなたが得られるもの、負けると失うものを考えてみましょう。
あなたのラグビーで叶えたい願望を再確認したとき、モチベーションが高まるはずです!
勝算を五自七計で計る
敵味方の分析を五自七計で計りましょう!
今はYouTubeやサブスクで簡単に試合を見ることが出来ます。
そういった動画やラグマガ、知人の話などあらゆる方向から情報収集するのです。
情報を集めたら敵も味方も徹底的に分析してみましょう!
五自七計をラグビーっぽく手直しするなら次のように考えられます。
花園予選で「勝算なさそうだし試合するのやめるか!」というのはさすがにないでしょう。
ですが、適切な練習試合相手を探すのには役立ちそうです。
仮に花園予選で格上と当たっても、「ここが弱点じゃないか・・・?」と考えて準備すると、いい勝負ができる可能性はぐっと高まるでしょう。
格上相手ほど重要な考え方”相手が得意なプレーでの勝負は避ける”
相手の得意なプレーでの勝負は徹底して避けましょう!
孫子の言う通り、勝ち目のない、薄い勝負を避けるのです。
勝てる勝負だけを積み重ねて、試合の勝利も勝ち取りましょう。
例えば、
- モールが得意なチームが相手なら、モールを組ませないよう妨害する
- WTBやFBがトライゲッターなら、そいつらにパスを回さない作戦を立てる
などなど、相手が格上であれば格上であるほど重要な考え方です。
試合は避けられないですが、わざわざ相手の土俵で勝負してあげる必要はありません。
今回のまとめ
『孫氏の兵法』は奥深く、あなたの視点から見える新たな考えもあるかもしれません。
あなたが『孫子の兵法』を使って勝利を掴むことを祈ってます!
参考文献
孫子 著:浅野 裕一
「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」などの名言で知られる『孫子』。春秋時代の孫武(そんぶ)が著わし、二千年以上も読み継がれた名高い古典は世界最古の兵法書として、また人間界の鋭い洞察の書として親しまれ、今日もなお組織の統率法や人間心理の綾を読みとるうえで必携とされている。本書は、従来の宋時代のテキストより千年以上も古い前漢武帝時代の竹簡文に基づく精密な唯一の解説である。
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カラー版徹底図解 孫子の兵法 著:榎本 秋
※こちらはかなり昔の本なので今は置いてなさそうです。代わりの図解を置いておきます!
紀元前500年頃、孫武が勝負は運ではなく人為によるとし、その勝利の法則を理論化した兵法書。情報分析や見極め、行動の時機やリーダー論等、現代に通じるものとして今も人気が高い。「名言」を図解でわかりやすく紹介する。
「世界最古の兵法書」といわれ、今なお広く愛読される『孫子』の名言は、決して戦いや争い事での「必勝法」「リーダー論」だけはなく、ビジネスに、生活に、人生すべてに通じ、応用できる珠玉の言葉。「敵を知り、己を知る」「戦わずして勝つ」など、あらためてその意味を味わいたい。
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超訳 孫子の兵法 著:許成準 ※オーディブル版を聴きました
世界中の指導者・経営者が愛読している、世界最古の兵法書『孫子の兵法』を、わかりやすい事例と共に、あますところなく解説。
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