『孫氏の兵法』と言えば、今やビジネス書としてめちゃくちゃ有名です。
ただ本来は”勝つための指南書”なんだからラグビーにも使えるんじゃね?
と思ったので、孫子の内容を私なりにラグビーに当てはめて書いていこうと思います。
私自身はラグビーを引退しています。
だから、高校や大学ラグビー部の皆さんが「これは役に立つ!」と少しでも思ってくれる内容になってたら嬉しいです。
孫子を知れば、ラグビーでも、社会人になっても役に立つはず・・・?
気楽に読んでもらって、使えそうなものはチーム会議などで活用してみてください!
『孫氏の兵法』を3行でまとめると・・・
『孫氏の兵法』を3行でまとめるとこうなります。
となります。
『孫氏の兵法』は戦術書でありながら、「無駄に戦うな!」という教えが最初に来る面白い本です。
孫子は勝敗を占いで予測する当時の風潮を嫌い、
徹底した現実主義
利益を最大に・被害を最小に
を重視した人だったようです。
この前提をもって、『孫氏の兵法』の細かい内容を見ていきましょう!
今回『孫子』から学ぶこと
敵をだまして有利な状況で戦う
孫子は「戦いの本質は騙し合いである」と説いています。
では、敵を騙すとはどういった例があるのでしょうか?
少しみていきましょう。
敵の状況次第で騙し方は変わってきます。
騙すにしても、作戦は臨機応変を心がけましょう!
今回『孫子』で学んだことをラグビーに当てはめると・・・
パスが出来ないと思わせる
パスができないふりをしておけば、ここぞというチャンスで効果的なパスが出来ます!
パスができないふりは、FWなら特に恩恵がでかい。
FW同士というのは基本パワー勝負になりがちですから、DF時パスの警戒は薄いです。
相手DFが「こいつはパスないな・・・」と思い始めた後半あたりにパスを出すと、大きなチャンスを作り出せるかもしれません。
逆に「こいつはパスも出来る」と思わせると、パスダミーで簡単に抜ける可能性も高まるでしょう!
パスするかしないか、敵を悩ませることでチャンスメイクしやすくなります。
キックができないと思わせる
「こいつはキックない」と相手チームが思っているときのキックは陣取りに大きく貢献できます!
もちろんこれは、ある程度練習してキック、特にグラインダーキックが出来る前提です。
キックを上手く使えば、タックルを受けて痛い思いをすることなく前進できます。
ところで、FWはキック厳禁!というチームは世の中多いでしょう。
「キックよりもスクラムやラインアウトの精度をまず高めろよ」と思う人は多いはず。
それが常識だと思います。
だとしたら逆に「キックがうまいFWの多いチーム」は有利に戦える気がしませんか?
身体が小さいチームで、パワーでは勝てない相手なら、選択肢としてアリだと私は思うんですよ。
ラインアウトで後ろは投げられないと思わせる
ラインアウトで相手DFに「後ろは投げられない」と思わせると、後々チャンスを作りやすいです!
前半は前か真ん中のサインだけ出し続けて、後ろはないと思わせる。
すると相手DFは後ろへの警戒が薄くなります。
後半の敵陣5m、最後尾でキャッチしてモールをすると、相手はとっさに対応できず、DFが崩壊するでしょう。
ラインアウトは心理戦です。
「もし自分が相手チームだったらこう動くだろう・・・」と考えながらサインを組み立てると、楽しいものですよ!
わざとラックサイドのスペースを空けておく
DF時にわざとラックサイドのスペースを空けて、相手SHやFWを孤立➡ジャッカルを狙いましょう!
損して得取れ!1mゲインを許してボールを奪いに行く作戦です。
これはもちろんリスクも高いです。
なので、DFのシステムをきちんと構築した上で行うべき作戦だと言えます。
その上で、相手のSHやFWに持ち出し➡孤立癖があればあるほど効果的です。
相手チームの試合映像を分析して、効果ありそうなら試してみてください!
短気な敵を挑発する
上手く立ち回れるなら相手を怒らせて、判断能力を奪いましょう!
などと書いていますが、私は正直あまり好みじゃない作戦です。
煽った結果ぶっ飛ばされたら、シンプルに悔しいので基本煽ったりしませんでした。
ただ、ラグビーも”戦い”である以上、多少の心理戦は上手く使うべきでしょう。
実際の試合でも、レフリーから見えないようにグレーなプレーをする選手は多いもの。
わざと踏んだり、レイトタックルかますよりはかわいいものです。
大事なのは、「短気な敵の判断能力を奪うための”作戦”」だということです。
これを理解していないと、あなたも判断能力を失う危険性があります。
自分の評判が落ちるリスクもあるため、上手く立ち回れなさそうなら無理にする必要はないです。
大外にプロップやナンバー8を配置する
体格的に有利なミスマッチを作り出しましょう!
これ、作戦として上手くいったときはマジで効果絶大です。
AT時、大外のプロップやナンバー8まで回ると、DFのWTBは蹂躙されます。
ゲインする距離も長いので、相手DFは大きく下がり、こちらは楽に次のATを準備できます。
ただし、大外へ回る前にターンオーバーされるとDFシステムが崩れるリスクもあります。
大外に限らず、「どうすれば有利なミスマッチを作り出せるか?」を考えると面白い作戦が浮かぶかもしれません。
ペナルティは準備できていない敵に速攻する
ペナルティをもらったら、DFラインに下がりきっていない敵めがけて速攻しましょう!
ペナルティを取られるとDF側は10m下がらなければなりません。
もし下がりきらずにプレーすると、ペナルティ取られた地点からさらに10m下げられます。
理論上は、パワー勝負をせずにずっと進んでいける神システムです。
レフリーが確認してくれること前提なので、速攻する際はレフリーにもしっかりと確認してもらいましょう。
でないとやり直しになって、速攻できなくなります。
ペナルティは活躍する大チャンスです!
いつでも絡みにいけるよう、ペナルティの笛には貪欲になりましょう!
今回のまとめ
『孫氏の兵法』は奥深く、あなたの視点から見える新たな考えもあるかもしれません。
あなたが『孫子の兵法』を使って勝利を掴むことを祈ってます!
参考文献
孫子 著:浅野 裕一
「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」などの名言で知られる『孫子』。春秋時代の孫武(そんぶ)が著わし、二千年以上も読み継がれた名高い古典は世界最古の兵法書として、また人間界の鋭い洞察の書として親しまれ、今日もなお組織の統率法や人間心理の綾を読みとるうえで必携とされている。本書は、従来の宋時代のテキストより千年以上も古い前漢武帝時代の竹簡文に基づく精密な唯一の解説である。
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カラー版徹底図解 孫子の兵法 著:榎本 秋
※こちらはかなり昔の本なので今は置いてなさそうです。代わりの図解を置いておきます!
紀元前500年頃、孫武が勝負は運ではなく人為によるとし、その勝利の法則を理論化した兵法書。情報分析や見極め、行動の時機やリーダー論等、現代に通じるものとして今も人気が高い。「名言」を図解でわかりやすく紹介する。
「世界最古の兵法書」といわれ、今なお広く愛読される『孫子』の名言は、決して戦いや争い事での「必勝法」「リーダー論」だけはなく、ビジネスに、生活に、人生すべてに通じ、応用できる珠玉の言葉。「敵を知り、己を知る」「戦わずして勝つ」など、あらためてその意味を味わいたい。
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超訳 孫子の兵法 著:許成準 ※オーディブル版を聴きました
世界中の指導者・経営者が愛読している、世界最古の兵法書『孫子の兵法』を、わかりやすい事例と共に、あますところなく解説。
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