ラグビーはかなり奥深くて、頭も体も使うのが面白く、就職でも有利になりやすいスポーツです。
とはいえ、練習がかなりきつかったり、人間関係が厳しいという問題もあります。
私自身もラグビー部を辞めようと何度思ったことか(^^;)
時には泣きながら考えて、結局それでも続けました。
単に辞める勇気がなかったというのもありますが、結果として自分は満足しています。
FWリーダーの時は部員の辞めるという相談も受けて、その度に私なりの考えを伝えてきました。
ラグビー部を辞めたいと思っているあなたへ。
今回は、ラグビー部を辞める・続けるメリット・デメリットを一緒に考えていきます。
辞める前に、メリットとデメリットをよく考えるきっかけにしてみてください。
ラグビー部を辞めたい理由は?
まずはあなたのラグビー部を辞めたい理由を言語化しましょう。
紙に書き出すと、気持ちも思考も整理しやすくなります。
出来る限り細かく書き出しましょう。
ヒントになれば幸いですが、私なりに大別して理由は3つではないかと考えています。
これら1つかもしれないし、全部かもしれません。
人間関係が辛い
もしあなたが人間関係でラグビー部を辞めたいのなら、嫌いな人や文化を言語化してみましょう。
言語化することで見えてくるものがあります。
監督や先輩、同期や後輩など、多くの人と関わり、陰も陽もガリもデブもいるごった煮のような部活。
それがラグビー部です。
だから、どうしても自分と合わない人間というのは何処にでもいます。
私が嫌いだったのは、根性論ばっかりの人、殴る・蹴る・髪を引っ張る人、ミスに激怒する人などでした。
こういう人らに限ってラグビーの能力が高いのでタチが悪い。
伝統校であれば、謎の上下関係ルールがあったりもするでしょう。
試合・練習がきつい
ラグビーの試合や練習はシャレにならないくらいきついですよね。
ここで考えてほしいのは、
体力的についていけないのか、試合で結果が出ないのがモチベを下げているのか、です。
もし体力的にきついなら、精神的に不安定になっているかも意識してみてください。
精神まできつくなっているなら、早く辞めたほうがいいかもしれない。
体力だけの問題なら、練習方法や試合中の体力の使い方を変えれば解決するかもしれません。
試合で結果が出なくて練習の意味を感じないならば、本やYouTubeなどで知識を探してみましょう。
部活内だけで有効な練習メニューを考えるのは限界があります。
別のことに時間を使いたい
ラグビーではなく、別のことに時間を使いたいと思うこともあるでしょう。
別の部活に興味を持ったり、ゲームしたり、恋愛したり、学生だったら色んな楽しいことがあります。
その『別のこと』、ラグビー部にいながら小さく始めることができるか考えてみてください。
いきなりラグビー部を辞めて『別のこと』を始めたとして、実は自分に合わなかったなんてことはよくあります。
そうなったらラグビー部のメリットも『別のこと』のメリットも両方失うことになる。
あなたが将来就活を考えているなら、いきなりラグビー部を辞めるのはおすすめしません。
自分に合う合わないを確認したほうが、ラグビー部のメリットとも比較しやすいでしょう。
ラグビー部を辞めるメリット
時間にも心にも余裕ができる
部活を辞めると時間にも心にも余裕が出来ます。
勉強を頑張るもよし、青春を謳歌するもよし、それなりの自由が手に入ります。
私が学生時代にラグビー部を辞めた人も、割と伸び伸び学生生活を送っていたように感じます。
ただし、心の余裕はあなた自身が「別に気まずくない」と割り切れることが前提となります。
ケガのリスクが激減する
ラグビー部を辞めればケガのリスクが激減します。
ケガしやすい部活ランキングでも必ず上位のラグビー部。
私の周りもやれ鎖骨骨折だ、バーナーだ、鼻骨折だ、瞼縫っただ色々ひどいけががありました。
しかも彼ら(私もですが)はテーピングやプロテクトをつけてでも試合に出てました。
正直今でも正気じゃないと思っています。
こういった「ケガでも試合に出るのが当たり前」という雰囲気から解放されるのはメリットでしょう。
別のやりたいことができるようになる
別のやりたいことができるようになります。
こういった理由は、あなたの意志が強ければ強いほどラグビー部を辞めやすい理由になります。
「どうしても受かりたい大学があるから勉強頑張りたい!」
「陸上のほうが向いているとわかったから部活を変えたい!」
こうした願望をしっかりと伝えることが出来れば、ラグビー部を辞めても良好な人間関係を保てるでしょう。
成功するかは別として、人生はやってみないと分からないことだらけです。
ラグビー部を辞めるデメリット
学校生活が気まずくなる
よほど円満な理由で退部しない限りは、多かれ少なかれ学校生活は気まずくなります。
廊下ですれ違った時、ぎこちなく挨拶するあの雰囲気は、お互いそこそこ心にダメージがあります。
また、宿題などの助け合いも、基本的にはラグビー部員との協力はないと思っていたほうが良いです。
新しいコミュニティを探し、安心できる場の確保をおすすめします。
何かに挑戦するために、あるいはどうにもならない事情でラグビー部を辞めるのであれば、
もしかしたら退部後も仲良くできるかもしれません。
就活でなぜ辞めたか聞かれる可能性がある
部活を辞めた理由から、会社を辞める理由を判断される可能性があります。
部活を辞めること自体は悪ではありません。
問題は部活を辞める理由が明確かつ、会社を辞めようと考えるきっかけになるかです。
例えば、人間関係が理由で部活を辞める理由が、「なんか自分に合わない」みたいな理由だと、
面接官は「なんか自分に合わないから会社辞めようと考えそうだな」と判断するかもしれません。
嘘をつくと、嘘を重ねないといけなくなったり、虚言癖になる可能性があります。
部活を辞めるなら、辞める理由は明確かつ、会社を辞める理由にはならない事例を考えておきましょう。
やり遂げたものがないまま卒業してしまう可能性がある
部活は補欠だろうがマネージャーだろうが、3年間所属さえしていれば肩書として一生残ります。
継続できることがあなたの売りになり、就活などでも武器になることでしょう。
ただ、何の目標もないまま途中で退部すると、やり遂げたものがないまま卒業してしまう可能性があります。
例えば、「練習がしんどい」という理由でラグビー部を辞め、落ち着いたら勉強を始めようと考える。そうすると、今までなかった余裕ができ、反動で遊びまくったりなまけまくったりする。
3年後期にようやく焦りだして勉強するが、部活にいた時と学力差がほぼないという可能性も十分あります。
自分を律する力が弱い人は、部活を続けたほうが得かもしれません。
ラグビー部を続けるメリット
就職活動に有利
ラグビー部は就活で有利になりやすいのが続けるメリットでしょう。
ラグビーは練習がきつく、上下関係に厳しく、ケガしやすく、頭を使わないと勝てないスポーツです。
逆を言えば、忍耐力があり、礼節もあり、健康的な体力もあり、目標のために頭を使える人物が育ちやすいスポーツとも言えます。
会社は給料を払いつつ社員を育てるわけですから、お金に見合った人材を確保したいと考えます。
ラグビー部卒であれば、営業職をメインとしたあらゆる仕事の土台が出来上がっている。
忍耐力もあるはずだから、すぐに辞めると言い出すことはないだろう、と面接官は思うでしょう。
また、経営者や上層部がラガーマンなら、かなり気に入ってもらいやすいです。
心身ともに強くなれる
筋トレで身体が、ハードな試合・練習で心が強くなれます。
自分より筋肉がないものは物理的に勝てる気がするようになります。
試合・練習がきついので、「これくらいなら耐えられる」という範囲が広がります。
まぁ正直、めちゃくちゃしんどいしモチベが下がることも結構ありますよね?
そんな時は↓の本などで、筋トレのモチベを上げてみてはいかがでしょうか。
めっちゃ読みやすいし、面白い本です。
ラグビー部で学べる筋トレの知識と経験は必ずあなたの人生で役立ちます。
卒業後も昔話で盛り上がれる可能性がある
人間関係が良好のまま卒業できれば、ラグビー部の昔話で盛り上がれます。
めちゃくちゃ熱かった試合、練習中のハプニング、合宿の飯トレなどなど。
時が経つと「今思えば楽しかったなぁ」と思える瞬間があります。
頑張っている今は練習や試合もきついでしょう。
ただ、一生懸命に結果を出そうと努力したことは、あなたの力となり、心の支えになります。
そういったものを当時の仲間と語り合うのは面白い経験ですよ。
ラグビー部を続けるデメリット
練習も人間関係もしんどいまま
ラグビー部に残れば当然、練習も人間関係も基本しんどいままです。
理不尽に怒ったり殴ったりしてくる先輩や監督も、文字通り吐くレベルできつい練習もそのままです。
無論あなたが悪いわけでなく、環境や入部した時期が悪かったということもあります。
とはいえ、環境や他人を変えるよりも自分を変えるほうが楽で、効率的です。
人生を終わらせたいと思うほどにきついなら、ラグビー部を続けるのは危険です。
ケガで結果を残せない可能性も十分ある
どれだけ頑張って耐えても、ケガで結果を残せない可能性も十分あります。
私の同期は入部して即レギュラーでしたが、入部半年後のケガで3年後期も満足に試合に出れていませんでした。
あなたがどれだけ「活躍したい!」「花園行きたい!」と望んでも、叶わないことも全然あります。
努力しても必ず報われるとは限らないが、努力しなければ報われる可能性は生まれない。
それでもなお、ラグビーという1つの競技にこだわる熱意があるのなら、ラグビー部を続ける意味が生まれるでしょう。
他のやりたいことができない
ラグビー部を続けるなら、日々の筋トレ・飯トレ・技術練・休養をしっかりと行う必要があります。
時間は平等に与えられますが、使い方は人それぞれです。
ゆえに、学校とラグビーのことだけで1日のほとんどが終わります。
もっと遊びたいと思っても、工夫して時間を作らないと苦しくなる一方です。
もっと熱中したいものが見つかったのなら、ラグビーに時間を割くのはもったいないかもしれません。
最終的にはあなたが決める、決めなくてはならないことです。
あなたにとってラグビー部を辞める・続けるメリット・デメリットをよく考えて決断しましょう。
ラグビー部を辞める際のアドバイス
あなたがメリット・デメリットを考えて、ラグビー部を辞める決断をしたのであれば、辞める際のアドバイスをお伝えします。
これは会社を辞める時も役立つと思います。
辞める理由を明確にする
まずは、辞める理由を明確に言語化しましょう。
- なぜラグビー部を辞めたいか?
- 辞めたいと思ったきっかけやエピソードは?いつ・どこで・だれが・何を・どうしたのか?
- ラグビー部を辞めた後は何をするのか?
とにかくメモ用紙にあなたの気持ちや事実を書きなぐって言語化しましょう。
後ほどこのメモは修正します。
辞めた後の最悪の想定を受け入れる覚悟を決める
辞めた後の最悪の想定を受け入れる覚悟を決めましょう。
最悪の想定がどうにもならないものなら、受け入れていたほうが気持ちを楽にできます。
ラグビー部と廊下ですれ違う時、すごい気まずい雰囲気なるでしょう。
場合によっては教室でボッチになる可能性もある。
「孤立」というのは案外耐えられるものですが、「最悪の想定」の1つと言えるでしょう。
もしかしたら「洗礼」と称した何かしらの攻撃を受けるかもしれない。
そういった危険がある場合は録音や録画も準備しておいた方がいいかもしれません。
いずれにせよ、どん底を受け入れて、他人の救いを期待しなければ、想定内なので耐えやすくなります。
攻撃的・否定的な表現を「自分の価値観に合わなかった」に変換しておく
攻撃的・否定的な表現をできる限り「自分の価値観に合わなかった」に変換しておきましょう。
ラグビー部を否定する表現を使うと、途端にラグビー部と対立する関係になってしまいます。
例えば、「ラグビー部の上下関係はきつすぎる」という理由で辞めようとする場合、
そのまま伝えてしまうと、あなたがラグビー部を否定したようにとらえられる場合があります。
否定ととらえられれば、以後学校生活もかなり息苦しいものになるかもしれません。
「ラグビー部の礼節は自分には合わなかった・ついていけなかった」という表現なら、
「辞める原因は自分にあり、あなたたちラグビー部の価値観は尊重しますよ」ということが伝えられます。
あくまでお互いの価値観を尊重するために、自分はラグビー部を辞めるのだと伝えましょう。
信頼できる人に相談してみる
ある程度言語化できたら、信頼できる人に相談してみるのもアリです。
親や先生、先輩や同期、後輩やネットの意見など、あなたが信頼できるなら相談するといいでしょう。
別に実在の人でなくても、神やぬいぐるみ、AIに壁打ちしてもかまいません。
重要なのは言葉にすることです。
言葉にすることで、辞めることを正式に伝える予行練習にもなります。
引き止められることがあれば、それに対する反論もあとで考え直すことも可能です。
もしかしたら、意外な視点からラグビー部を続けたほうがいいと思えるかもしれません。
人の意見というのはあくまで参考ですが、自分では気が付かなかった事実を教えてもらえるチャンスにもなります。
それでもなお辞める決断に至ったのであれば、次は決定権者へ正式に辞める旨を伝えましょう。
決定権者(監督や顧問)に1対1で辞める意思を伝える
怖いかもしれませんが、決定権者(監督や顧問)に1対1で辞める意思を伝えましょう。
決定権者の機嫌がいい時に、10分ほど時間がもらえないか確認する必要もあります。
「先生、10分ほどお時間いただけますでしょうか?」みたいに確認しましょう。
「いいよ」と言われたら2人で話せる場所で話をし、「この後は無理」と断られたら日を改めましょう。
時間がもらえたら、以下のものを事前に準備できていれば、あなたが会話の主導権を握りやすくなるでしょう。
ラグビー部を褒めるというのも、辞める交渉を上手く進めるために必要な要素です。
相手の存在を尊重することで、あなたの存在も尊重してもらえるよう誘導しましょう。
決定権者の了承をもらえれば、しっかりと書類などの手続きは忘れずに。
辞めるその日まではラグビー部で学べることを学びましょう。
P.S. あなたがラグビー部を辞める前に伝えておきたいこと
あなたがラグビー部を辞めるか悩む気持ちは、本当に痛いほどわかります。
私も嫌いな人は結構いましたし、練習も飯トレも本当にきつかった。
ただ、その上で伝えておきたいことがあります。
それは、ラグビー部は人間関係を学ぶ絶好の環境であるということです。
性格も、体格も、スポーツの経歴もこんなに混ざるスポーツは他にないんじゃないでしょうか。
多くのポジションが臨機応変に、普段からコミュニケーションをとって連携することが勝利への近道です。
もし、人間関係に悩んでいるのであれば、この本を一度読んでみてください。
ビジネス書の古典ですが、面白いし、何より一生役に立ちます。
少しでもあなたの気持ちが楽になると幸いです。
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